塗る(読み)ヌル

デジタル大辞泉 「塗る」の意味・読み・例文・類語

ぬ・る【塗る】

[動ラ五(四)]
物の表面塗料液状のものなどをこするようにしてつける。「患部に薬を―・る」「パンジャムを―・る」
壁土漆喰しっくいなどをこすってつけて、壁や塀などをつくりあげる。「壁を―・る」
おしろいをつけて厚化粧をする。「白くごてごて―・る」
自分の罪や責任他人に負わせる。「人の顔に泥を―・る」
「人ニ罪ヲ―・ル」〈和英語林集成
[可能]ぬれる
[類語](1なす掃く付ける塗り付ける塗りたくる塗布する塗抹する塗擦する塗装する塗り立てる塗り潰す塗り込める塗り替える擦り付ける

まぶ・る【塗る】

[動ラ五(四)]まぶす」に同じ。
「あるへいの棒に肉桂の粉を―・ったもので」〈中勘助銀の匙
[動ラ下二]まぶれる」の文語形

まみ・る【塗る】

[動ラ下二]まみれる」の文語形。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「塗る」の意味・読み・例文・類語

ぬ・る【塗】

  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 物の表面に液や塗料などをなすりつける。
    1. [初出の実例]「母(おも)の乳汁(ちしる)を塗りしかば」(出典古事記(712)上)
    2. 「お白粉をぬり、べにをぬりつけ」(出典:虎明本狂言・鏡男(室町末‐近世初))
  3. 土、漆喰などをなすりつけて、塀・壁・壇などを築造する。
    1. [初出の実例]「しん殿とおぼしきひんがしのはなちいでに、すほうのたんぬりて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)
    2. 「本より屏を二重に塗(ヌッ)て、外の屏をば切て落す様に拵たりければ」(出典:太平記(14C後)三)
  4. 自分の罪や責任を関係のない人に負わせる。なすりつける。
    1. [初出の実例]「知らぬ事丹後にぬり被仕」(出典:四座役者目録(1646‐53)下)
  5. 装いつくろう。欠点などを覆いかくす。→塗(ぬ)り回(まわ)す

まぶ・る【塗】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙まぶす(塗)
    1. [初出の実例]「ダンゴニ サトウヲ maburu(マブル)」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙まぶれる(塗)

ぬすく・る【塗・擦】

  1. 〘 他動詞 ラ行四段活用 〙 塗りつける。なすりつける。転じて、罪、責任などを他人に転嫁する。
    1. [初出の実例]「人にぬすくって我子の勘当ゆるすも」(出典:浮世草子・庭訓染匂車(1716)三)
    2. 「やけどにも泥ぬすくって刃物打」(出典:雑俳・蝉の下(1751))

まめ・る【塗】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙 物が一面につく。まぶされる。まみれる。
    1. [初出の実例]「ドロニ mameru(マメル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))

ま・みる【塗】

  1. 〘 自動詞 マ行上一 〙 一面につく。まみれる。
    1. [初出の実例]「頭は血にまみて居た」(出典:窮死(1907)〈国木田独歩〉)

まみ・る【塗】

  1. 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙まみれる(塗)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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