塩汁(読み)ショッツル

デジタル大辞泉 「塩汁」の意味・読み・例文・類語

しょっ‐つる【汁】

調味料の一。イワシハタハタなどを塩漬けにし、魚の成分が溶け合ってどろどろになった汁をこしたもの。秋田特産魚醤油うおじょうゆ
しょっつるなべ」の略。 冬》
[類語]魚醤油魚醤ナンプラー

しお‐じる〔しほ‐〕【塩汁/潮汁】

塩味だけで調味した汁もの。うしおじる。
海水塩水

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精選版 日本国語大辞典 「塩汁」の意味・読み・例文・類語

しお‐じるしほ‥【塩汁・潮汁】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しおしる」とも )
  2. 海水。塩水。
    1. [初出の実例]「六月の二十九日の夜、太政官坊に入りて、塩汁を飲みて誓ひ、天地四方を礼ひて」(出典:続日本紀‐天平宝字元年(757)七月一二日・宣命)
  3. 野菜、貝、魚などを塩味だけで調味した汁ものをいう。潮煮(うしおに)。うしおじる。
    1. [初出の実例]「塩汁や日にほし瓜のふねの垢〈寿保〉」(出典:俳諧・大海集(1672)夏下)
  4. 塩辛いものから出る汁。〔日葡辞書(1603‐04)〕

しょっ‐つる【塩汁】

  1. 〘 名詞 〙 調味料の一種。ハタハタやイワシ、アミなどを塩漬けにしたものから浸み出した上澄(うわずみ)を濾(こ)したもの。秋田地方の特産。
    1. [初出の実例]「あのショッツル(塩汁)は好かぬ人もあるといふが、『うしほ』を好む俺の口には合ふ」(出典:遅過ぎた日記(1954)〈長与善郎〉ソ連の参戦)

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日本の郷土料理がわかる辞典 「塩汁」の解説

しょっつる【塩汁】


魚醤(ぎょしょう)の一種で、はたはたなどの魚を塩漬けにして発酵・熟成させ、溶けてどろどろになった液をこしたもの。秋田の特産品。魚の強い風味があり塩辛い。

出典 講談社日本の郷土料理がわかる辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の塩汁の言及

【郷土料理】より

…サケやタラを三枚におろし,皮をとって凍らせ,刺身にして食べる。
【東北地方】
しょっつるなべしょっつるはハタハタを塩漬にしたものの浸出液,つまり魚醬(ぎよしよう)で,塩汁のなまった語。これを煮汁にして,ハタハタ,タラ,イカなどを野菜といっしょに煮て食べる。…

【魚醬】より

…もともとは塩蔵した魚介類そのものを食べるのが目的で行われたが,やがてそこに浸出したうまみのある液汁をも利用するようになり,現在ではその液汁のみを目的とする製造も行われている。魚(うお)しょうゆと呼ばれるのがそれで,日本には秋田のしょっつる,香川のいかなごしょうゆなどがあり,外国のものではアンチョビーソースやニョクマムが知られる。しょっつるは塩汁の意で,ハタハタ,イワシなどを材料とし,いかなごしょうゆはコウナゴ,カマスゴなどとも呼ばれるイカナゴでつくり,いずれも鍋料理に用いられる。…

【ハタハタ(鰰∥鱩)】より

…卵はブリコと呼ばれ珍重されている。また,魚類などを長期間塩づけにしたものから出る汁を魚しょうゆというが,ハタハタでつくったものを秋田でしょっつるといい,なべ料理などに用いる。【望月 賢二】。…

※「塩汁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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