墨壺・墨斗(読み)すみつぼ

精選版 日本国語大辞典 「墨壺・墨斗」の意味・読み・例文・類語

すみ‐つぼ【墨壺・墨斗】

〘名〙
大工道具の一つで、線を引くのに用いるもの。木をえぐって墨池とし、この中に墨汁を含ませた真綿を入れる。糸巻車から繰り出される糸は墨池の中を通り、墨汁が糸にしみこむようになっている。糸の先に猿子(さるこ)または仮子(かりこ)と呼ぶ小さい錐(きり)がついており、この錐を加工材にさし、糸をぴんとはってはじいて直線を引く。また、上からつるして垂直を見る。墨入れ。すつぼ。すみつも。〔十巻本和名抄(934頃)〕
浄瑠璃出世景清(1685)一「四海泰平民安全と、祝ひこめたるすみつぼの、糸の直(すぐ)なる国なれば」
② 墨汁を入れる壺。墨汁を入れて携帯する容器
※会友大旨(1773)ト「また潔白なることは、墨壺(スミツボ)うちへつけてもちっともよごれもせぬものなりと」

すみ‐つも【墨壺・墨斗】

〘名〙 =すみつぼ(墨壺)①〔新撰字鏡(898‐901頃)〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android