デジタル大辞泉 「壟断」の意味・読み・例文・類語 ろう‐だん【×壟断】 [名](スル)1 高い丘の切り立っている所。2 《いやしい男が高い所から市場を見下ろして商売に都合のよい場所を見定め、利益を独占したという、「孟子」公孫丑下の故事から》利益や権利を独り占めにすること。「大資本家が小資本家を吸収して利益を―すると云って」〈魯庵・社会百面相〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「壟断」の意味・読み・例文・類語 ろう‐だん【壟断】 〘 名詞 〙 ( 「壟」は岡の意 )① 高い岡のたち切れた所。[初出の実例]「雲籠二台殿古招提一、壠二断岡横一路転迷」(出典:島隠集(1508)扇面)② ( ━する ) ( 「孟子‐公孫丑・下」の「有二賤丈夫一焉、必求二龍断一而登レ之、以左右望而罔二市利一、人皆以為レ賤」による。ある男が市場の高い場所から形勢をながめ、自分の品物を売るのに都合のよい所を見つけて利益を独占したという、孟子のたとえ話から ) 利益や権利をひとりじめにすること。[初出の実例]「壟断(ロウタン)の利に依て、商売往来の弊、年貢運送の煩ありとて」(出典:太平記(14C後)一)「其一手を以て内地の産業を壟断するの患なし」(出典:条約改正論(1887)〈小野梓〉五) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
故事成語を知る辞典 「壟断」の解説 壟断 利益や権利などを独占することのたとえ。 [使用例] それは百五十万乃ない至し三百万人の有産階級のみが特権的に壟断する政治であって、国民全体の政治とは如何いかにしてもいわれないのです[与謝野晶子*婦人も参政権を要求す|1919] [由来] 「孟子―公こう孫そん丑ちゅう・下」に出て来るエピソードから。大昔の市場では、人々は不必要なものを売って必要なものを買うだけで、役人が管理する必要はありませんでした。ところが、ある男が現れて、「竜断(=壟断。切り立った小高い丘)」の上に立って市場を見渡し、あちらとこちらの値段を比較してはうまく立ち回って、利益を独り占めにしてしまいました。そこで、役人は、この男に税を課すことにしました。市場での取り引きに税が課せられるようになったのは、これが始まりだということです。 出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報