大沼鮎沢御厨(読み)おおぬまあゆざわのみくりや

日本歴史地名大系 「大沼鮎沢御厨」の解説

大沼鮎沢御厨
おおぬまあゆざわのみくりや

現御殿場市東田中ひがしたなか新橋にいはしのうち鮎沢付近を中心に展開したとみられる伊勢神宮の御厨。鮎沢御厨・藍沢あいざわ御厨ともいった。戦国時代以降、現在の御殿場市・小山おやま町の一帯(一部裾野市域を含む)は御厨の通称でよばれるが、この呼称は当御厨に由来するものと考えられる。建久三年(一一九二)八月の伊勢大神宮領注文写(神宮雑書)に「大沼鮎沢御厨二宮 給主神祇権少副親広 已上件神領等、子細于嘉承・永久宣旨也」とみえ、「ヲヽヌ アユサワ」の訓を付している。当御厨は内宮と外宮領で、嘉承三年(一一〇八)以前の成立、給主は大中臣親広であった。神領の詳細は嘉承三年の注文と永久三年(一一一五)の宣旨の写が添えられたため、本文には記されていないが、神宮古典籍影印叢刊本「神鳳鈔」には「二宮、二丁五反百八十歩、内宮布十段、外宮見作三分一地利内、上分布六段、残雑用料 大沼鮎沢御厨」とみえ(内閣文庫本では田積は二〇丁五反一八〇歩とある)、内宮へ布一〇反、外宮には「見作三分一地利」として布六反と雑用料を納めていた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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