天台山(読み)テンダイサン

デジタル大辞泉 「天台山」の意味・読み・例文・類語

てんだい‐さん【天台山】

中国浙江せっこう省東部にある山。華頂峰を中心とする。もと道教霊山で、575年智顗ちぎ天台宗を開いてから同宗の根本道場となり、国清寺などがある。
比叡山のこと。最澄日本で天台宗をひろめた中心地であるところからいう。

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精選版 日本国語大辞典 「天台山」の意味・読み・例文・類語

てんだい‐さん【天台山】

  1. [ 一 ] ( その地の分野が、天の三台星に応ずるところから名づけたという ) 中国の名山浙江省天台県の北にある。仙霞嶺山脈中の一高峰。赤城・仏隴・桐柏・瀑布などの諸峰を擁し八葉覆蓮の形をなしている。昔から道教の秘境とされたが、陳の太建七年(五七五)、天台宗の始祖智者大師智顗(ちぎ)がこの山にはいって天台宗を開き、天台教学の根本道場となった。〔幽明録‐劉晨・阮肇〕
  2. [ 二 ] ( 伝教大師が天台宗を広めた山であるところから ) 「ひえいざん(比叡山)」の別称
    1. [初出の実例]「即遣蔵人右近衛少将藤原朝臣滋実、撿挍将領放天台山」(出典菅家文草(900頃)一二・奉勅放却鹿鳥願文)

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日本歴史地名大系 「天台山」の解説

天台山
てんだいさん

瑞泉ずいせん寺の北方五輪ごりん(林)山と肩を並べるようにそびえ、標高一四一・四メートル。近くに貝吹地蔵やお塔やぐらがある。「鎌倉志」は、いつ頃この山名がついたか不明とし、将軍家屋敷鬼門に当たるので、京都天台山に似せて名付けられたか、と記す。昔から道教の秘境とされのちに天台教学の根本道場となった中国の天台山や、京都比叡ひえい(天台山)に似ているので、この名が付けられたのであろう。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「天台山」の意味・わかりやすい解説

天台山
てんだいさん

中国、浙江(せっこう)省天台県北にある仏教の名山。標高1200メートル前後の諸峰の谷間には、かつて無数の寺院が点在した。もと道教の霊山で、「天上の三台星に応ずる地」とされて天台山の名が生まれた、と伝えられる。4世紀中ごろから仏僧が入山して仏寺建立が盛んになった。575年に入山した智顗(ちぎ)(天台宗開祖)は、陳(ちん)の宣帝の保護を受けて修禅寺(しゅぜんじ)(宋(そう)代に大慈寺と改名)を建て、天台宗の根本道場とした。智顗の没後、弟子の灌頂(かんじょう)らが隋(ずい)の晋王(しんおう)(のち煬帝(ようだい))の援助を受けて601年に天台山寺を創建し、605年煬帝から国清寺の額を賜与された。これが「天下四絶」の一つとたたえられた天台宗総本山の国清寺である。

 日本天台宗祖の最澄(さいちょう)が804年に山に入り天台法門と菩薩戒(ぼさつかい)を受けて以降、円載(えんさい)、円珍(えんちん)、成尋(じょうじん)、栄西(えいさい)、重源(ちょうげん)らが唐から宋にかけて続々と天台山を訪れた。現在、国清(こくせい)寺には高さ59メートルもある六角九層の隋代の塼塔(せんとう)のほか、山門を入ると、正面中央から奥へ弥勒(みろく)殿、雨花殿、大雄宝殿が建ち並び、この三大殿の左右には妙法堂、観音殿、禅堂など多くの堂宇が侍列し、昔日のたたずまいをしのばせている。

[佐藤智水]

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百科事典マイペディア 「天台山」の意味・わかりやすい解説

天台山【てんだいさん】

中国,浙江省東部にある天台山脈の主峰(華頂山とも。1098m)。山脈中には四明山,雪鳳山などがある。古くから仏僧・道士が住し,3―6世紀に多くの寺院・道観が建てられたが,575年智【ぎ】(ちぎ)が禅林寺を興してから,天台宗の根本道場とされ,598年煬帝(ようだい)は国清寺を建て,以後天台宗の列祖はこの山に住して教線を張った。また,最澄円珍らの日本の留学僧もここで修行。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「天台山」の解説

天台山(てんだいさん)
Tiantaishan

中国浙江(せっこう)省東部の仏教の聖山。三国のの頃開けたといい,智顗(ちぎ)がここに住んでより,隋の煬帝(ようだい)の保護を受けて,天台宗の本山となり72寺があった。唐の初め寒山(かんざん),拾得(じっとく)がいたといわれる。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「天台山」の意味・わかりやすい解説

天台山
てんだいさん

「ティエンタイシャン(天台山)山脈」のページをご覧ください。

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