天然(読み)テンネン

デジタル大辞泉 「天然」の意味・読み・例文・類語

てん‐ねん【天然】

[名・形動]
人為が加わっていないこと。自然のままであること。また、そのさま。「天然良港」⇔人工
「栄養不足で―に立枯になった朴の木の様なもので」〈啄木・雲は天才である〉
うまれつき。天性。「天然美声
《「天然ぼけ」から》意図せずとぼけた言動をすること。また、そのような人。「天然な人」
[類語]自然森羅万象万物造化天造天工原始大自然天地人

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精選版 日本国語大辞典 「天然」の意味・読み・例文・類語

てん‐ねん【天然】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動ナリ・タリ ) 人の作為が加わっていないこと。自然のままであること。また、そのさま。また、人の力ではおよばないことやそのさま。自然。
    1. [初出の実例]「水流長製天然帯、山勢多奇造化形」(出典:凌雲集(814)奉和江亭晩興呈左神栄清藤将軍〈淳和天皇〉)
    2. 「平等は一相無相なり、此中に天然として衆生を利すべき本誓悲願あり」(出典:雑談集(1305)九)
  3. ( 形動ナリ・タリ ) 生まれつきであること。それ本来の姿であること。また、そのさま。天性。
    1. [初出の実例]「天然性以閑居本、適承此之旨」(出典明衡往来(11C中か)中本)
    2. 「元来うつくしき人なれば、天然の粧か」(出典:中華若木詩抄(1520頃)下)
    3. [その他の文献]〔後漢書‐賈逵伝〕
  4. ( 形動ナリ・タリ ) 偶然に起こるさま。無意識のさま。
    1. [初出の実例]「信長公の御憎(にくみ)を蒙る者、悉く天然と相果て候」(出典:信長公記(1598)一四)
  5. 造化の神。造物主。

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普及版 字通 「天然」の読み・字形・画数・意味

【天然】てんねん

生まれつき。自然のまま。唐・杜甫〔白小〕詩 白小(白魚)も群(み)な命をつ 天然二寸の魚 細水族を霑(うるほ)す 風俗、園に充(み)つ

字通「天」の項目を見る

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