天辺・頂辺(読み)てっぺん

精選版 日本国語大辞典 「天辺・頂辺」の意味・読み・例文・類語

てっ‐ぺん【天辺・頂辺】

〘名〙 (「てへん(天辺)」の変化した語)
① 兜(かぶと)のいただき。転じて、頭のいただき。
※滑稽本・旧観帖(1805‐09)初「たアことウぬかすと、てっぺん張子の福介のやうにするぜへ」
② 物のいちばん高い所。頂上。いただき。
※雑俳・花見車集(1705)「初の夢見に富士の頭上(テッペン)
③ はじめ。最初。真っ先
※談義本・八景聞取法問(1754)一「有徳な人の子供は、てっぺんから大医にかけて人参ずくめ」
④ 物の極点。最高。最上
※談義本・根無草(1763‐69)前「女房方、娘方、おやま、所作事引くるめて若女形のてっぺん」
ホトトギスの鳴き声。
※雑俳・柳多留‐六六(1814)「初物のてっへん銭が入らず聞く」

て‐へん【天辺・頂辺】

〘名〙
① 兜(かぶと)の部分の名。鉢の中央上部をいう。てっぺん。
平家(13C前)四「常に錏(しころ)を傾けよ、いたう傾けて手へん射さすな」
② 頭。いただき。てっぺん。
※俳諧・一幅半(1700)一折「朝霧に馬は大津の追からし〈乙由〉 山のてヘンに落かかる月〈芦本〉」
佐渡金山で用いた一種保安帽。かんぜよりで兜のように編んだもの。
島根のすさみ‐天保一一年(1840)八月八日「てへんといふ、甲のごとく、笠に似たる、こよりにて作たるものをかぶり」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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