女川(読み)おながわ

精選版 日本国語大辞典 「女川」の意味・読み・例文・類語

おながわ をながは【女川】

宮城県東部、牡鹿半島の基部東側の地名。前九年・後三年の役に、安倍貞任一族婦女子を避難させた黒森山から流れる川を、女川と称したことによる。漁港避難港として発達して現在は遠洋漁業基地。ウミネコ・ウトウの繁殖地、江ノ島(えのしま)がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「女川」の意味・わかりやすい解説

女川[町] (おながわ)

宮城県東部,牡鹿(おしか)郡の町。人口1万0051(2010)。牡鹿半島の付け根にあり,町域に太平洋に浮かぶ出島,江島(えのしま)列島を含む。北上高地から続く丘陵が海岸まで迫り,平地がほとんどない。中心集落の女川はリアス海岸の女川湾奥に位置し,県内でも有数の漁業基地である。漁港のほか商港をも有し,埋立地に魚市場,水産加工場,船舶修理工場などの施設が密集する。カツオ,ビンナガ,サンマ,サバの水揚げが多く,県内船よりも岩手など県外船の水揚げが多い。カキウニアワビなどの養殖が盛んなほか,ギンザケの養殖では日本一(1990)の生産高をあげている。石巻市の旧牡鹿町の鮎川とともに近海捕鯨の基地だったが,現在は行われていない。海岸部は南三陸金華山国定公園に指定され,牡鹿コバルトライン(96年無料開放)が通じる。旅館,民宿など宿泊施設も多い。小屋取地区に東北電力女川原子力発電所がある。江島列島はウミネコ,ウトウの繁殖地(天)である。JR石巻線が通じる。2011年3月の東日本大震災では,死者行方不明922人,全壊住宅2980戸にのぼった。
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