子嚢菌類を特徴づける「子嚢胞子」を内生する特殊な細胞。子嚢胞子形成前の細胞(子嚢母細胞)は一般に単相の2核であるが、まもなく核癒合して一つの複相核になる。この子嚢母細胞の核はすぐに減数分裂を行い、普通はさらに1回の核分裂を行って単相の8核となる。その後、それぞれの核を中心にして胞子が形成され、8子嚢胞子をもつ子嚢が完成する。
子嚢菌類のうちでもっとも原始的な原生子嚢菌類には種々の子嚢形成法がある。接合した細胞が一つの子嚢になる原生子嚢(コウボキン)、接合して生じた複相菌糸体の末端細胞が子嚢になる頂生子嚢(スペルモフトラ)などである。繁殖器官として簡単な子実体をつくる小房(しょうぼう)子嚢菌類では、接合して生じた造嚢糸が二重壁子嚢をつくる。その他の真正子嚢菌類の場合は組織の分化した各種子実体を形成し、その中で造嚢系が一重壁子嚢をつくり、それが一つの層(子実層)をなすものが多い。子嚢は種々の仕組みで開口し、胞子を激しく射出する。
[寺川博典]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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