字音かなづかい(読み)じおんかなづかい

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「字音かなづかい」の意味・わかりやすい解説

字音かなづかい
じおんかなづかい

漢字音における歴史的かなづかいをいう。おもに本居宣長の『字音仮字用格 (かなづかい) 』 (1776) ,白井寛蔭 (ひろかげ) の『音韻仮字用例』 (1860) の説くところによっている。ただし,契沖らの和語の歴史的かなづかいが,平安時代初期・中期文献に用例を求めていたのに対し,字音かなづかいのほうは『韻鏡』から理論的につくりだした点があり,古代の実例のみから帰納的に決定したものでない点に注意しなければならない。そのため,のちの研究で訂正されたところもある。「衰」スヰ→スイ,「瑞」ズヰ→ズイ,「帽」バウボウなどがそれである。

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