普及版 字通 「宅(漢字)」の読み・字形・画数・意味
宅
常用漢字 6画
[字訓] おる・すまい
[説文解字]
[甲骨文]
[金文]
[字形] 形声
声符は(たく)。〔説文〕七下に「人の託居するなり」とするが、中にあって行う儀礼をいう字であろう。卜辞に「三帚(婦)は新寢に宅(を)らんか」「今(こ)の二、新寢に宅らんか」という例があり、寝に宅ることを卜する。〔詩、大雅、文王有声〕「是の鎬京(かうきやう)に宅る」、〔書、康誥〕「亦た惟(こ)れ王を助けて天命を宅(さだ)む」のように用い、また〔儀礼、士喪礼〕に葬居を卜することを「宅を筮す」という。卜辞に寝に宅ることを卜するものは、所にあって神の憑依を受け、神託を得るためであろう。
[訓義]
1. おる、すむ、やすんずる、はか、もと神聖の居るところをいう。
2. すまい、やしき。
3. はかる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕宅 イヘ・イヘセリ・スム・ヲリ・ホシイマンマ/光宅 ミチヲリ
[語系]
宅deak、託・・thakは声義が近い。は神託を受ける方法を示す字。神の憑依を受けるために聖所に宿ることを宅といい、死後の居をも宅という。託は神託、(たく)は〔説文〕八上に「寄するなり」とあり、は〔広雅、釈詁四〕に「依るなり」という。みな憑依することに関係のある語であろう。
[熟語]
宅宇▶・宅屋▶・宅家▶・宅基▶・宅揆▶・宅居▶・宅券▶・宅眷▶・宅庫▶・宅子▶・宅舎▶・宅者▶・宅心▶・宅神▶・宅人▶・宅地▶・宅▶・宅第▶・宅土▶・宅圃▶・宅房▶・宅憂▶・宅里▶・宅裏▶
[下接語]
安宅・奄宅・遠宅・屋宅・火宅・家宅・官宅・館宅・起宅・寄宅・帰宅・旧宅・居宅・区宅・窟宅・故宅・広宅・光宅・市宅・私宅・自宅・借宅・住宅・新宅・仁宅・筮宅・拙宅・相宅・大宅・定宅・邸宅・第宅・転宅・廛宅・田宅・貧宅・弊宅・別宅・卜宅・本宅・列宅・廬宅
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報