20世紀日本人名事典 「安倍治夫」の解説
安倍 治夫
アベ ハルオ
昭和・平成期の弁護士
- 生年
- 大正9(1920)年4月2日
- 没年
- 平成11(1999)年8月16日
- 出身地
- 北海道根室市
- 学歴〔年〕
- 東京帝国大学法学部法律学科〔昭和18年〕卒,東京大学法学部政治学科〔昭和24年〕卒,ハーバード大学刑事学専攻〔昭和28年〕卒
- 経歴
- 昭和26年札幌地検検事、のち東京地検検事、法務省刑事局検事、同省法務総合研究所教授、国連アジア極東犯罪防止研修所教授、福岡高検検事などを歴任。42年退官し、弁護士を開業。ハーバード大学、ミシガン大学招聘教授もつとめた。英独仏語に優れ、30代で4度国際会議の日本代表となる。昭和の岩窟王吉田石松の無罪を助け反骨検事の異名をとった。また、庶民の弁護士として人権・消費者運動に挺身、45年日本自動車ユーザーユニオンを起し、日本で初めて大手メーカーの欠陥車問題に取り組んだ。自動車メーカーに賠償を求める過程で、46年東京地検から恐喝、同未遂罪で逮捕、起訴され、62年最高裁から有罪判決が下された。一旦弁護士資格を失ったが、平成2年復権した。著書に「欠陥車」「犯罪予測法入門」「刑事訴訟法における均衡と調和」「新検察官論」など。
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報