定番（読み）ジョウバン

デジタル大辞泉

じょう‐ばん〔ヂヤウ‐〕【定番】

１ 常に番をすること。また、その人。
２ 江戸幕府の職名。二条城・大坂城・駿府すんぷ城に一定期間駐在して城を警護する役。→加番

てい‐ばん【定番】

１ （安定した需要があり、台帳の商品番号が固定しているところから）流行に左右されない基本的な商品。定番商品。
２ （1が常にあるところから）いつ、どこにでもある、また、だれもがするような事柄。ありふれた事柄。「お握りは遠足の弁当の定番」「定番メニュー」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

じょう‐ばんヂャウ‥【定番】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 常に番をしていること。また、その者。
   1. [初出の実例]「あさゆふさぶらひし人は、ちゃうはんの女房とぞいひし」(出典：たまきはる（1219）)
3. ② 江戸幕府の職名の一つ。大坂・駿府城に駐在して城と付近の警護に当たったもの。
   1. [初出の実例]「玉造口定番(ヂャウバン)遠藤但馬守胤統に加勢を願った」(出典：大塩平八郎（1914）〈森鴎外〉六)
4. ③ 常時、自身番に詰めている番人。
   1. [初出の実例]「爰に太郎兵衛羽織安袴家主のこしらへ、定番(ヂャウバン)久七着流しにて」(出典：歌舞伎・梅雨小袖昔八丈（髪結新三）（1873）四幕)

てい‐ばん【定番】

1. 〘 名詞 〙 ( 需要が安定しているため商品番号が固定しているところから ) 流行に左右されず、常時よく売れる、基本的な商品。洋服や洋品などについていうことが多い。

出典　精選版 日本国語大辞典

山川 日本史小辞典 改訂新版

定番
じょうばん

江戸幕府直轄の駿府・大坂・二条の各城に任期中駐在し，警備などにあたる役職。任命された大名・上級旗本が家臣と付属の与力・同心を引率して勤務した。駿府定番は旗本の任で，役高1000石，役料700俵。老中支配。大坂定番は1万～2万石の小大名から任じられ，定員2人。役料3000俵。老中支配。二条城では二条門番頭の別称ともされたが，1862年(文久2)大番組の二条在番廃止により定番設置。役料3000俵。格式は大坂定番の上で老中支配。

出典　山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」

とっさの日本語便利帳

定番

流行に左右されない基本的商品という意味の「定番商品」の略。衣料服飾業界で商品に番号をつける際、ずっと生産され続ける商品の番号が変わらないところから「定番」と呼ばれ、これが、その種類の代表的なもの、その種類で誰でも知っているものという意味に拡大された。

出典　(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」

世界大百科事典（旧版）内の定番の言及

【城番】より

…城番は城により人数に多少があり，臨時の砦などには城代を置かず，城番のみ配置されることもあった。一定期間交替せず警備に当たる城番を〈定番（じようばん）〉，城番が不足のときそれをたすけるものを〈加番（かばん）〉といった。【根岸 茂夫】。…

※「定番」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」