宝王院(読み)ほうおういん

日本歴史地名大系 「宝王院」の解説

宝王院
ほうおういん

[現在地名]鴨島町牛島

牛島うしじまの中央部に位置し、八幡神社(牛島八幡宮)に隣接している。延命山と号し、真言宗御室派。当寺は中世の史料に修験寺院として散見する願成がんじよう寺の後身といわれている。永正二年(一五〇五)六月一〇日の旦那売券(熊野那智大社文書)には「牛之嶋之願成寺」とみえ、熊野先達の拠点となっていたことがわかる。天文二一年(一五五二)一一月七日の阿波国念行者修験道法度写(良蔵院文書)にも「牛嶋願成寺」とみえ、願成寺の山伏は念行者と称した阿波国の有力山伏集団に属しており、大峰おおみね山や伊勢・紀伊熊野・山城愛宕あたご山、高越こうつ山といった阿波国内外の霊場への引導・代参等を行う先達だった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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