普及版 字通 「客(漢字)」の読み・字形・画数・意味
客
常用漢字 9画
[字訓] まろうど・たびびと
[説文解字]
[金文]
[字形] 会意
宀(べん)+各。宀は屋。各は祝の器((さい))に対して、神霊が上より降下(夂(ち))する形。中に神霊を迎えることを客という。〔説文〕七下に「寄なり」と客寄・旅寓の意とするが、もとは客神をいう字であった。〔詩、周頌、振鷺〕「我が客(いた)る」、〔詩、周頌、有客〕「客り、客り 亦た其の馬を白(あを)くす」とは、周の祭祀に、客神として殷の祖霊を迎える意。「まろうど」は、わが国においても異族神を意味した。
[訓義]
1. まろうど、客神、異族神。
2. 客人、上客。
3. たびびと、かかりびと。
4. 身をよせる、かりにすむ。
5. 他からきた人。
6. 顧客。
7. すぎた年、過去。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕客 マラヒト/客人 マラフト 〔字鏡集〕客 メヅラシ(ヒト)・マラフト・タビビト・ヨル・アキラカ
[声系]
〔説文〕十下に客声としてを収め、「なり」と訓し、「春秋傳に曰く、陳を以て、三に備ふ」と〔左伝、襄二十五年〕の文を引く。今本は字を恪に作る。は恪の本字。天子には先王朝の後を存する義があって、舜の後である陳を三恪の一として、周の祭に参加させた。本来は客神として遇したものであろう。の字は金文にみえる。
[熟語]
客郷▶・客衣▶・客位▶・客意▶・客階▶・客懐▶・客館▶・客観▶・客気▶・客寄▶・客居▶・客遇▶・客▶・客月▶・客戸▶・客語▶・客恨▶・客歳▶・客作▶・客棧▶・客子▶・客死▶・客思▶・客使▶・客刺▶・客児▶・客舎▶・客主▶・客戍▶・客秋▶・客愁▶・客処▶・客倡▶・客商▶・客情▶・客心▶・客身▶・客塵▶・客睡▶・客船▶・客饌▶・客窓▶・客僧▶・客単▶・客地▶・客中▶・客帳▶・客鳥▶・客枕▶・客程▶・客亭▶・客途▶・客冬▶・客年▶・客念▶・客▶・客帆▶・客兵▶・客聘▶・客奉▶・客民▶・客夢▶・客郵▶・客游▶・客傭▶・客裏▶・客侶▶・客慮▶・客路▶・客廬▶
[下接語]
異客・羽客・雲客・延客・園客・遠客・佳客・華客・過客・嘉客・賀客・雅客・海客・外客・閑客・観客・奇客・寄客・喜客・棋客・貴客・羈客・久客・旧客・急客・狂客・客・僑客・嬌客・吟客・寓客・軽客・結客・剣客・估客・孤客・故客・賈客・顧客・江客・行客・狎客・高客・豪客・坐客・座客・刺客・詞客・詩客・主客・酒客・宿客・書客・正客・招客・商客・樵客・上客・乗客・常客・食客・塵客・酔客・征客・政客・清客・醒客・接客・説客・仙客・先客・船客・騒客・俗客・尊客・多客・大客・談客・致客・逐客・弔客・珍客・佃客・幕客・賓客・逋客・奉客・墨客・門客・野客・幽客・遊客・傭客・来客・旅客・論客
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報