専称寺(山形市)(読み)せんしょうじ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「専称寺(山形市)」の意味・わかりやすい解説

専称寺(山形市)
せんしょうじ

山形市緑町にある真宗大谷派の寺。最上山(もがみざん)と号する。本尊阿弥陀如来(あみだにょらい)。1483年(文明15)本願寺第8世蓮如(れんにょ)の高弟願正坊(がんしょうぼう)が現天童市高擶(たかだま)に草庵(そうあん)を結んで布教したのを起源とする。第3世寿全(じゅぜん)教正のときに本願寺顕如(けんにょ)より専称寺の寺号を許された。山形領主最上義光(よしあき)の娘駒姫(こまひめ)(豊臣秀次(とよとみひでつぐ)の侍女)が淀君(よどぎみ)のため不慮の死を遂げたので、1596年(慶長1)義光が供養のため寺を高擶より旅籠(はたご)町に移し、さらにのち現在地に移建した。以後13か寺の塔頭(たっちゅう)、96の末寺を支配して寺威隆盛となり、出羽五か寺の一つに数えられた。現本堂は1703年(元禄16)に改築されたものであるが、鐘楼(県指定文化財)と書院は桃山時代の建築である。本堂の四隅にある夜泣き力士の像は左甚五郎の作と伝えられる。また、願正上人(しょうにん)画像、最上義光夫人画像は県指定文化財。

[中山清田]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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