末寺(読み)マツジ

デジタル大辞泉 「末寺」の意味・読み・例文・類語

まつ‐じ【末寺】

本山支配下にある寺。

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精選版 日本国語大辞典 「末寺」の意味・読み・例文・類語

まつ‐じ【末寺】

〘名〙 本山の支配下にある寺。本寺に付属する寺。
今昔(1120頃か)三一「多武の峯を妙楽寺と云ふ名付て、比叡の山の末寺に寄成けり」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「末寺」の意味・わかりやすい解説

末寺
まつじ

本山(本寺)の支配下にある寺院江戸幕府は、本山・末寺関係制度化して、寺院支配を行った。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「末寺」の意味・わかりやすい解説

末寺
まつじ

本山,本寺に従属する寺。第2次世界大戦後は被包括寺院と称する。江戸時代宗派法流の関係によって本末制度が確立されたが,それは江戸幕府が本山を統治下におくことによってすべての寺院を統治するためのものであった。現在でもその遺制は残されているが,それぞれの宗派の強化および末寺の権威づけに役立つものともなっている。

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「末寺」の解説

末寺
まつじ

本寺または本山に従属してその支配・統制下にある寺院。「今昔物語集」に延暦寺末寺などの語がみられることから,本寺・末寺の関係は古くから存在したといえる。江戸幕府は仏教統制政策から宗派ごとに法度(はっと)を定め,本山が住職任免法会(ほうえ)などへの出仕上納金賦課などを通して,末寺を従属関係において秩序を保持することを制度的に確立した。

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旺文社日本史事典 三訂版 「末寺」の解説

末寺
まつじ

本寺に属する寺院。

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世界大百科事典(旧版)内の末寺の言及

【別院】より

…元来,創建・宗派・寺地などを共にする寺院相互において,故あって一方の大寺を本寺・本山としてそれに属する寺をいう。後世の末寺の一種である。9世紀より天台・真言2宗の興隆流布とともに別院が派生した。…

【本末制度】より

…本寺・本山と末寺の関係についての制度。本末関係は,本山と末寺間の関係,末寺間相互の関係に分けられるが,前者を狭義の本末関係,後者を上寺下寺関係とすべきであろう。…

※「末寺」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」