小仏峠(読み)コボトケトウゲ

デジタル大辞泉 「小仏峠」の意味・読み・例文・類語

こぼとけ‐とうげ〔‐たうげ〕【小仏峠】

東京都八王子市と神奈川県相模原市との境にある峠。甲州街道要道で、麓に小仏関があった。標高548メートル。

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精選版 日本国語大辞典 「小仏峠」の意味・読み・例文・類語

こぼとけ‐とうげ‥たうげ【小仏峠】

  1. 東京都八王子市の西部と神奈川県相模湖町との境にある甲州街道の峠。関東平野玄関口にあたる要所で、江戸時代、東側のふもとの駒木野関所が置かれていた。標高五四八メートル。

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日本歴史地名大系 「小仏峠」の解説

小仏峠
こぼとけとうげ

千木良ちぎら北部にあり、武蔵・相模の国境となる甲州道の峠。標高五四八メートル。古くは富士見ふじみ関と称し(風土記稿)、軍事上・交通上の要衝であった。天正一七年(一五八九)九月一〇日の北条氏照印判状(八王子市薬王院蔵)に「富士関役所構」とみえ、関所が設けられた。江戸期に入り甲州道が整備され、天和年間(一六八一―八四)には小仏関所は駒木野こまぎの宿(現東京都八王子市)に設置された。寛文年間(一六六一―七三)から天明期(一七八一―八九)までには千木良村分に三軒の茶屋があったが、三軒とも上長房かみながぶさ(現八王子市)分の地へ引越してしまった。その後、安兵衛なる者が飯売商いを始めたが、文政四年(一八二一)に道中取締役人によって飯売商いは禁止された(「差上申御請之事」小川文書)


小仏峠
こぼとけとうげ

八王子市の南西端、神奈川県相模湖さがみこ町との境にある峠。標高五四八メートル。永禄一二年(一五六九)秋、武田信玄は関東へ遠征、その本隊と別の小山田信茂は甲斐国大月から直接八王子に向かった。滝山たきやま城の北条氏照は当時の交通路からみて多摩川あき川上流の奥多摩方面から侵入すると予想、戸倉とくら(現あきる野市)などに城兵を派遣したが、小山田隊が越えてきたのが小仏峠であった(甲陽軍鑑)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「小仏峠」の意味・わかりやすい解説

小仏峠
こぼとけとうげ

東京都八王子市と神奈川県相模原(さがみはら)市との境にある旧甲州街道の峠。標高548メートル。JR中央本線高尾―相模湖両駅の中間にあたり、峠の下を鉄道、中央自動車道の小仏トンネルが通ずる。峠上にはここを通った文人たちの歌碑や詩碑が建てられている。地形からは高尾山景信山(かげのぶやま)との鞍部(あんぶ)にあたり、北西の陣馬(じんば)高原を加えて、奥高尾ハイキングコースとなっている。この稜線(りょうせん)は江戸時代には江戸の山岳防衛線とされ、またここを過ぎる甲州街道は、有時のおりの江戸城からの避難地とされていた甲府城へ通ずる要道(五街道の一つ)で、東麓(とうろく)の駒木野(こまぎの)に置かれていた小仏関(国指定史跡)は、箱根、碓氷(うすい)の両関とともにとくに重要視され、出入者の取調べの厳重なことで知られていた。峠の南西麓には美女谷温泉(びじょだにおんせん)がわき出し、山宿の湯として知られる。高尾駅―小名路―小仏―小仏峠―相模湖のハイキングコースがある。

[浅香幸雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「小仏峠」の意味・わかりやすい解説

小仏峠
こぼとけとうげ

東京都西部,八王子市神奈川県北部,相模原市の境にある峠。標高 548m。関東山地の南端,高尾山と北部の景信山との鞍部にあたり,浅川の谷から甲州へいたる旧甲州街道の要地であった。小仏関箱根関碓氷関とともに関東の3関所の一つ。関所はのちに東麓の駒木野に移された。小仏関跡は国の史跡に指定されている。峠の下を JR中央本線,中央自動車道の小仏トンネルが通る。現在の甲州街道 (国道 20号線) は南の高尾山麓の大垂水峠を通り,小仏峠からはずれている。高尾山付近一帯は,1967年明治の森高尾国定公園に指定され,自然美に恵まれたハイキングコースとなっている。

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改訂新版 世界大百科事典 「小仏峠」の意味・わかりやすい解説

小仏峠 (こぼとけとうげ)

東京都八王子市と神奈川県相模原市の旧相模湖町の境界,関東山地南端の峠の一つ。標高548m。多摩川の支流浅川の谷をのぼって甲州にこえる峠で,北の景信(かげのぶ)山(727m)と南の高尾山(600m)の鞍部にあたる。江戸時代には関東と甲信を結ぶ甲州街道の要所で,江戸の西側山岳防衛線上の要衝として峠の東麓の駒木野におかれた小仏関は,箱根・碓氷両関とともに関東の三関といわれた。しかし,明治に入ると甲州街道は南の高尾山麓大垂水(おおだるみ)峠(389m)経由に変更されたため,小仏峠は時代からとり残された。第2次大戦後高尾山一帯が都立公園に指定され,相模湖,浅川,高尾山,景信山などに通ずるハイキングコースに組みこまれたため再び親しまれるようになった。中央本線や中央自動車道の両小仏トンネルは,この峠の真下を通っている。
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百科事典マイペディア 「小仏峠」の意味・わかりやすい解説

小仏峠【こぼとけとうげ】

東京都八王子市と神奈川県相模原市の境にある標高548mの峠。北の景信(かげのぶ)山と南東の高尾山の鞍部(あんぶ)に当たり,旧甲州道中の要所で,東麓の駒木野に小仏関所があった。休所や茶屋も置かれていた。明治以後,南の大垂水(おおだるみ)峠に新道ができたため衰微。中央本線が小仏・新小仏両トンネルにより通じる。ハイキング地。
→関連項目小仏関明治の森高尾国定公園

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