小割(読み)コワリ

デジタル大辞泉 「小割」の意味・読み・例文・類語

こ‐わり【小割(り)】

材木を小さく割ること。また、その割ったもの。
木材規格の一。木口2.5センチ前後、長さ1.8メートルほどの角材
まき割り用のなた
古く、面積単位たんを小さく分けること。また、その分けた単位。

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精選版 日本国語大辞典 「小割」の意味・読み・例文・類語

こ‐わり【小割】

〘名〙
① 材木、たきぎなどを小さくひき割ること、また、そのひき割った物。また、掘り起こした土塊を鍬で細かにする荒切をもいう。
※浮世草子・椀久一世(1685)下「其日暮しに互に情の深き手釣瓶(てつるべ)を汲みあげ薪を小割して共かせぎ是も程なく気をつかし」
事柄を細かく分けること。細かく分けて考えること。また、その場合。
※仮名草子・清水物語(1638)上「本末前後、この四つの字を何事にもあてて見れば、分別の大わりはさだまるなり。又、こわりにも此四字をあてて用ゆべし」
③ 面積の単位である反を小さく分けること。また、その単位。天正・文祿(一五七三‐九六)の頃、大・半・小の三種があった。大は二百歩、半は百五十歩、小は百歩。
※古活字本毛詩抄(17C前)一七「場は田の大わりぞ。彊が小わりぞ」
④ 江戸時代、諸藩が土木工事その他の公共事業に要した経費の賦課方法で、村に割り当てるもの。⇔大割
※郡中割元帳‐享保六年(1721)(美濃加納藩)「去子年川々御普請入用八拾四両壱分銀七匁五分大割為致、追て小割にて取集方郡中奉行え申渡」
⑤ 木材の規格の一つ。木口二・五センチメートル前後、長さ一・八メートルほどの杉またはエゾマツなどの角材。
風俗画報‐一六三号(1898)市内各区の景況「日本橋区〈略〉柳橋軒先へ小割(コワリ)を渡すでもなく国旗を旗(た)提灯軒下に直に下げ」
⑥ 三人遣(づか)いの操り人形で、主(おも)遣い、左遣い足遣い各自の役割のこと。

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