小半弓遺跡(読み)こはんきゆういせき

日本歴史地名大系 「小半弓遺跡」の解説

小半弓遺跡
こはんきゆういせき

[現在地名]玉川村南須釜 小半弓

阿武隈高地西縁の丘陵斜面に立地する製鉄遺跡。寛政一二年(一八〇〇)白河藩勘定所は南須釜みなみすがま村東方の藩有林内で、試験的に製鉄を行うことを命じており(小山田家文書)、遺跡はこれにあたるとみられる。昭和五八年(一九八三)に調査が行われ、床釣構造をもつ近世たたらであることが判明、現在は埋戻し状態で保存されている。地元では「てつざん」とよばれ、製鉄用木炭窯のある所とされていたが、調査によって角打の高殿(吹屋)の範囲内に小舟・本床・鍛冶炉をもつ中国地方にみられる近世たたらと共通することが明らかとなった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報