小膠細胞(読み)しょうこうさいぼう(英語表記)microglia

日本大百科全書(ニッポニカ) 「小膠細胞」の意味・わかりやすい解説

小膠細胞
しょうこうさいぼう
microglia

神経膠細胞一種ミクログリア、小神経膠ともいう。通常は中枢神経系(脳や脊髄(せきずい))の組織に、突起を伸ばした不活性な状態(ラミファイドミクログリア)で存在する。神経細胞が炎症などによって損傷を受けると、突起を縮めて肥大した活性化ミクログリアとなり、損傷修復のための免疫担当細胞として機能する。死んだ細胞を貪食(どんしょく)するマクロファージ様の作用をもち、組織の修復促進を図るように働く。また、活性化ミクログリアはアルツハイマー病パーキンソン病筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症といった神経変性疾患の病変部に集積する。これにより、慢性的な神経炎症が神経変性の進行にかかわっていることが明らかになりつつある。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

栄養・生化学辞典 「小膠細胞」の解説

小膠細胞

 →小グリア細胞

出典 朝倉書店栄養・生化学辞典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android