小金井蘆洲(読み)こがねいろしゅう

改訂新版 世界大百科事典 「小金井蘆洲」の意味・わかりやすい解説

小金井蘆洲 (こがねいろしゅう)

講釈師。2代(本名小金井亀之助。1848-1908)がとくに有名で,江戸浅草に生まれ,15歳で小金井北海にのぞまれ前座をつとめ小金井北馬を名乗る。明治期を代表する講釈師となり,1886年(明治19)に初めて講談組合ができたとき頭取に就任した。《日蓮記》《川中島合戦》《賤ヶ岳七本槍》などを得意として,そうした講釈の種本をみずから編集,後進の借覧(しやくらん)に供したという。その芸風は,3代(本名秋本格之助。1873-1925),4代(本名松村伝次郎。1888-1949)を通りこし,5代(本名上野正吉。1877-1961)に受けつがれたとされている。《塩原多助》《相馬大作》《半七捕物帳》などをよくし,いかにも世話講釈風の読み口に味があった。晩年蘆洲の名を返上し,小金井桜洲(おうしゆう)を名乗った。6代(本名岩間虎雄。1926-2003)は,さびのある声で《清水次郎長》《国定忠治》《天保水滸伝》などの俠客ものを得意とし,落語家の修業もした生活感ある読み口に,玄人筋のファンが多い。
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百科事典マイペディア 「小金井蘆洲」の意味・わかりやすい解説

小金井蘆洲【こがねいろしゅう】

講談師。初世幕末の人。3代〔1873-1925〕は世話物名手として知られた。5代〔1877-1961〕は本名上野正吉。3代に師事し,宝井馬秀を名乗ったが,のち蘆洲を襲名,世話物読みとして《塩原多助》《鼠小僧》などを得意とした。

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