居飼(読み)いかい

精選版 日本国語大辞典 「居飼」の意味・読み・例文・類語

い‐かいゐかひ【居飼】

  1. 〘 名詞 〙 院司家司(けいし)厩別当(うまやべっとう)に属して牛馬を預かる者。
    1. [初出の実例]「各々馬副(うまぞひ)、ゐかい、おさへ、をかへまで給ひ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)吹上下)

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改訂新版 世界大百科事典 「居飼」の意味・わかりやすい解説

居飼 (いかい)

上皇御所である院の厩において,牛馬などの取扱いに従事した下級役人摂関家にも院と同様に,舎人(とねり)や居飼などの役職が厩にあった。本来は厩の係が仕事であったが,上皇や摂政関白等の正式の出行の際に,その行列の前駆の召具として,紅色の水干に紺の袴,藁沓といった派手な目立つ装束で先行して,行列に威儀をそえることがおもな仕事となった。
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