屋根職(読み)やねしょく

日本大百科全書(ニッポニカ) 「屋根職」の意味・わかりやすい解説

屋根職
やねしょく

屋根を葺(ふ)く専門職人。屋根は古代から藁(わら)や板で葺いたが、瓦(かわら)を葺く瓦葺きと瓦を焼く瓦焼きという工人が8世紀にはいた。やがて檜皮(ひわだ)(木羽(こば)の檜の皮)を使うようになり檜皮葺きという職人が12世紀に生まれた。15世紀には瓦焼きと屋根葺きという職人がみられるが、この瓦焼きが屋根も葺いたのか、あるいは屋根葺きが瓦焼きもしたのかは不明である。17世紀からの屋根葺き・屋根師は瓦焼き・瓦師から瓦を入手して瓦葺きをした職人で、屋根屋ともいい、新規だけでなく葺き替えもした。今日の屋根職は、金属板以外の瓦、スレートなどの屋根葺きである。スレートは20世紀前半、金属板は第二次世界大戦後に多く使われている。トタン屋根は板金屋根葺き職・ブリキ職の仕事である。

遠藤元男


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「屋根職」の意味・わかりやすい解説

屋根職
やねしょく

屋根ふきの職人。瓦屋根板屋根の場合は特に屋根職を必要としないが,草屋根や檜皮葺 (ひわだぶき) の屋根には専門職人を必要とした。草屋根職人は初め農閑期を利用する旅職人が主で,親方に率いられる職人のグループがいくつも組織され,広く各地を巡回したが,のちには各地に地元屋根職が発生した。

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