山崎宗鑑(読み)ヤマザキソウカン

デジタル大辞泉 「山崎宗鑑」の意味・読み・例文・類語

やまざき‐そうかん【山崎宗鑑】

室町後期の連歌師俳人近江おうみの人。本名、志那弥三郎範重。将軍足利義尚に仕え、のち出家して山城国山崎に閑居したという。「新撰犬筑波集」の編者荒木田守武とともに俳諧の祖とされる。生没年未詳

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精選版 日本国語大辞典 「山崎宗鑑」の意味・読み・例文・類語

やまざき‐そうかん【山崎宗鑑】

室町後期の禅僧、連歌師。俳諧選集「犬筑波集」の撰者氏名出生など諸説があり未詳。出家して禅林に入り、諸国遍歴行脚し、晩年は山崎に庵を結び閑居したと伝えられる。生没年未詳。天文八年(一五三九)以降に七五歳以上の高齢で没したらしい。

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朝日日本歴史人物事典 「山崎宗鑑」の解説

山崎宗鑑

没年:天文8~10?(1539~41)
生年:生年不詳
室町時代の俳諧作者。山崎姓は山城国(京都府)山崎に住んでいたことによる通称。通説に,近江国(滋賀県)出身で俗名を志那弥三郎範重,室町幕府将軍足利義尚に仕えた,また讃岐国(香川県)興昌寺に没したとするのには確たる根拠がない。長享2(1488)年摂津の能勢頼則興行の千句にその名がみえ,連歌師を職としたらしい。一休宗純参禅,また宗鑑流と称される能書家で,人々の依頼を受けて数々の古典を書写している。さらに当時言捨て(正式に書きとめない句)であった俳諧付合を収集して『犬筑波集』(古くは『俳諧連歌抄』と呼ばれた)を編み,自らも俳諧連歌に巧みで,「追ひ付かん追ひ付かんとや思ふらん」に「高野聖のあとの槍持ち」と付け,前句の「追ひ付く」を同音の「笈(高野聖が背負う箱)突く」に転じてみせるなど,その機知は冴えている。『犬筑波集』の俳諧は,高踏的な連歌に対し,庶民世界を面白く詠みあげており,近世俳諧の先駆をなすものであった。江戸時代には荒木田守武と並んで俳諧の鼻祖と称えられ,その奔放な滑稽世界にふさわしい,反俗,洒脱,清貧の隠者のイメージに作り上げられた。山崎の地で自ら竹を切り油筒を売っていたとか,草庵の入り口に人を追い返すべく,客を上中下に分ける札を掲げていたとか,辞世に「宗鑑はいづくへ行くと人問はばちと用(癰)ありてあの世へといへ」と詠んだなどという逸話がそれを物語る。<参考文献>吉川一郎『山崎宗鑑伝』,木村三四吾「山崎宗鑑」(明治書院『俳句講座』2巻)

(沢井耐三)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「山崎宗鑑」の解説

山崎宗鑑 やまざき-そうかん

?-? 室町-戦国時代の連歌師,俳人。
山城(京都府)の山崎にすんだので,その名でよばれる。はじめ宗祇(そうぎ)らと連歌をつくる。滑稽(こっけい)機知の句風にむかい,俳諧(はいかい)撰集「犬筑波(いぬつくば)集」を編集。宗長,荒木田守武らとまじわり,俳諧創始者のひとりとされた。宗鑑流の書でも知られる。出自,経歴などには諸説あり,天文8年(1539)または9年に77-86歳で没したという。
【格言など】宗鑑はいづくへ行くと人問はばちとようありてあの世へといへ(辞世)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「山崎宗鑑」の意味・わかりやすい解説

山崎宗鑑
やまざきそうかん

室町時代後期の俳人,連歌作者。氏名,出自未詳。近江の人で志那弥三郎範重 (一説に範永) といい,足利義尚 (一説に義輝) に仕え,主君没後,摂津国尼崎,山城国山崎 (この地名を姓のようにいう) ,讃岐観音寺などに住したという。室町時代の俳諧を代表する『犬筑波集』の編者として有名。貧窮風狂の人としての伝説的逸話が多いが,いわゆる宗鑑流の筆跡の名手として相当の収入があったらしい。天文7 (1538) ~8年頃,讃岐観音寺の興昌寺内の一夜庵で没したらしい。

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旺文社日本史事典 三訂版 「山崎宗鑑」の解説

山崎宗鑑
やまざきそうかん

1465〜1553
室町後期の連歌師。『犬筑波集』の撰者といわれる
近江の人。武士出身。一休宗純に参禅し,宗祇 (そうぎ) ・宗長らと交友があった。滑稽・洒脱な俳諧連歌をおこし近世俳諧への道を開いた。

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改訂新版 世界大百科事典 「山崎宗鑑」の意味・わかりやすい解説

山崎宗鑑 (やまざきそうかん)

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百科事典マイペディア 「山崎宗鑑」の意味・わかりやすい解説

山崎宗鑑【やまざきそうかん】

宗鑑

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「山崎宗鑑」の解説

山崎宗鑑
やまざきそうかん

宗鑑(そうかん)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「山崎宗鑑」の意味・わかりやすい解説

山崎宗鑑
やまざきそうかん

宗鑑

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世界大百科事典(旧版)内の山崎宗鑑の言及

【宗鑑】より

…生没年を含め伝記の詳細は不明で,本名は支那範重あるいは範永(範長)。近江源氏佐々木氏の出で,将軍足利義尚(義輝とも)に出仕,のち出家して尼崎,山城国薪の地を経て同国の洛西山崎に対月庵(妙喜庵)を結んだと伝え,山崎宗鑑とよばれる。若年のころに宗祇,肖柏らと一座した連歌作品も残るが,名を高めたのは俳諧における活躍で,《守武(もりたけ)千句》跋文や《宗長手記》はその姿をよく伝えている。…

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