山東郷(読み)やまひがしごう

日本歴史地名大系 「山東郷」の解説

山東郷
やまひがしごう

現美浜町の東部、おそらく御岳おたけ山を中心とする南北線以東が範域と考えられる国衙領。文永二年(一二六五)の若狭国惣田数帳写の本庄の項に山西やまにし郷と並記して「山東郷八丁四反」とみえ、この田積の部分は天台常寿じようじゆ(跡地は現京都市左京区)織田おりた庄の一部と推定される。また「便補保所々」の項には「山東郷廿二町八反三百廿四歩」とあり、肩に朱筆で「天台常寿院領」とある。以上により、山東郷は織田庄として一円荘になった部分と常寿院に便補された部分とからなっていたことがわかる。

室町期には「親元日記別録」政所賦銘引付の文明九年(一四七七)九月一五日の記事によれば、大森吉久なる者が山東下野入道を郷代官職に任命したが、彼が返弁(郷の年貢・公事の未納か)できなかったため訴訟になっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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