山高きが故に貴からず(読み)ヤマタカキガユエニタットカラズ

デジタル大辞泉 「山高きが故に貴からず」の意味・読み・例文・類語

やまたかきがゆえたっとからず

《「実語教」の「山高きが故に貴からず、樹あるをもって貴しと為す」から》どんなに外観がりっぱであっても、内容が伴わなければすぐれているとはいえない。物事は見かけだけで判断するなというたとえ。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「山高きが故に貴からず」の意味・読み・例文・類語

やま【山】 高(たか)きが故(ゆえ)に貴(たっと)からず

(「実語教」の「山高故不貴、以樹為貴、人肥故不貴、以智為貴」による) どんなに見かけがよくても、内容が伴わなければ立派なものではない。外観よりも実質が大切であることのたとえ。
咄本・軽口露がはなし(1691)二「小風呂の内へ入けるに、去(さる)人、山たかきがゆへにたっとからずと口ずさみに申を」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

故事成語を知る辞典 「山高きが故に貴からず」の解説

山高きが故に貴からず

人は外見地位ではなく、中身こそが大切であることのたとえ。

[使用例] 山高きが故に貴からず、樹木あるが故に貴し、とか、いやに興覚めなハッキリした事を断言してはばからぬ実利主義者もあるのだから[太宰治津軽|1944]

[由来] 平安時代の終わりごろからよく用いられた教科書、「じつきょう」の一節から。「山高きが故に貴からず、有るをもって貴しとす(山は高いから貴いのではなく、そこに樹が生えているから貴いのである)」とあります。ちなみに、このあとには「人肥えたるが故に貴からず、智有るを以て貴しと為す」と続いています。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android