家庭医学館 「巨頭症」の解説
きょとうしょう【巨頭症 Macrocephaly】
頭の大きさは、巻き尺で前頭部と後頭部を通る頭の周囲(頭囲(とうい))を計測し、その最大値で決めます。正常な子どもの頭囲は、脳の発育と一致して増加します。
測定した頭囲の値が、標準の頭囲発育曲線の上限を上回ったときに、巨頭症と診断します。したがって巨頭症は特定の疾患ではなく、さまざまな疾患を背景に、頭が異常に大きくなる病態を指します。
[原因]
代謝性(たいしゃせい)疾患による神経細胞の肥大や異常な増殖(ぞうしょく)、さまざまな神経皮膚症候群(しんけいひふしょうこうぐん)、軟骨異形成症(なんこついけいせいしょう)、薬物中毒による脳の腫脹(しゅちょう)(腫(は)れ)、頭蓋骨(ずがいこつ)の肥厚(ひこう)、急性期・慢性期の水頭症(すいとうしょう)や硬膜下腔液体貯留(こうまくかくうえきたいちょりゅう)などが原因となります。
[治療]
症状は、精神運動発達障害、てんかんなど、人によって異なります。
水頭症や硬膜下腔液体貯留の場合は、脳神経外科的な治療を必要とします。