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…【藤田 恒太郎】【田隅 本生】
【ヒトの骨格】
ヒトの骨格は哺乳類としての共通の性格をもつことはもちろんであるが,また哺乳類の中で特殊化したヒトの体制の特徴を示している(図8)。そのおもな点をあげると,(1)脳の発達にともなって,ひじょうに大きい頭蓋骨をもつ。顔面頭蓋といって顔の部分をつくる部分にくらべて,脳頭蓋(神経頭蓋)という脳をいれる部分が著しく大きい。…
…これはフランス,イギリス,ドイツに例が多い。一方,イタリアでは,仮面,ベール,逆さにした松明(たいまつ),蛇,頭蓋骨などで〈死〉を象徴させることが多く,死体や骸骨の表現は少ない。16世紀末から17世紀にかけて,イタリア,フランス,スペイン,オランダで頭蓋骨を花や果物と取り合わせて描く静物画の形式をとった〈ウァニタス〉の図像が盛んに描かれたが,この中では頭蓋骨はつねに〈死〉を表現し,また枯れた花もしくは腐った果物,カエル,蛇など地に住むものなども〈死〉のメタファーと解釈される。…
…広義にはこの構造と下あごの骨格との複合体を指し,さらに最も広義にはこれらのほか,舌骨やえらの骨格までも含めた全体的骨格を意味する。頭骨はまた頭蓋(ずがい)(cranium,解剖学では〈とうがい〉とよむ)ともいい,俗に頭蓋骨ともいうが,頭蓋は狭義の頭骨で,ふつうは下顎(かがく)骨格を含まない。比較解剖学的には本来最も広い意味に解すべきだが,ここでは広義にとり,頭骨は頭と下顎骨格とからなるものとしておく。…
…野辺にさらされた人の頭蓋骨のことで,〈されこうべ〉〈しゃれこうべ〉(曝頭,曝首の字をあてる),〈野晒(のざらし)〉などともいう。先史時代の遺跡から発見される人類の骨のうち,頭蓋骨とその一部の数は他の骨の数よりも多いことから,頭部ないしどくろが早くから人類の文化に特殊な役割をもっていたことが推論されている。…
…広義にはこの構造と下あごの骨格との複合体を指し,さらに最も広義にはこれらのほか,舌骨やえらの骨格までも含めた全体的骨格を意味する。頭骨はまた頭蓋(ずがい)(cranium,解剖学では〈とうがい〉とよむ)ともいい,俗に頭蓋骨ともいうが,頭蓋は狭義の頭骨で,ふつうは下顎(かがく)骨格を含まない。比較解剖学的には本来最も広い意味に解すべきだが,ここでは広義にとり,頭骨は頭と下顎骨格とからなるものとしておく。…
※「頭蓋骨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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