差掛ける(読み)サシカケル

デジタル大辞泉 「差掛ける」の意味・読み・例文・類語

さし‐か・ける【差(し)掛ける/指(し)掛ける】

[動カ下一][文]さしか・く[カ下二]
他のものを覆うように差し出す。「傘を―・ける」
(指し掛ける)将棋を指すのを一時休止する。
杯を差し出す。酒を勧める。
「かはらけ―・けられなどするを見れば」〈かげろふ・下〉
[類語]差しかざす

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「差掛ける」の意味・読み・例文・類語

さし‐か・ける【差掛・挿掛・指掛】

  1. 〘 他動詞 カ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]さしか・く 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙
  2. 上からおおって陰にする。かさなどを上からかざす。
    1. [初出の実例]「唐笠さしかけたる騎馬の客」(出典:御伽草子・秋の夜の長物語(南北朝))
  3. 寄りかからせる。もたせかける。
    1. [初出の実例]「十二この、のぼりはしをとりいだし、しゅでんのやはなへさしかけて」(出典:説経節・をくり(御物絵巻)(17C中)七)
    2. 「時雨に馬を下りる冬の日〈之道〉 枝作る松に階子をさしかけて〈車庸〉」(出典:俳諧・深川(1693))
  4. おし寄せる。おしかける。
    1. [初出の実例]「遼東からの還に代へさしかけてめし取たぞ」(出典:史記抄(1477)五)
  5. さして引っかける。
    1. [初出の実例]「大櫛を面櫛にさしかけてをりて、手づから飯盛りをりけり」(出典:大和物語(947‐957頃)一四九)
  6. 酒をついで杯を相手に勧める。
    1. [初出の実例]「かはらけさしかけられなどするをみれば」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  7. ( 指掛 ) 将棋を指すのを途中で休止する。また、将棋を指しはじめて途中である。
    1. [初出の実例]「さしかけた将棋の勝負せまいか」(出典:読本・双蝶記(1813)一)

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