帯隈山神籠石(読み)おびくまやまこうごいし

日本歴史地名大系 「帯隈山神籠石」の解説

帯隈山神籠石
おびくまやまこうごいし

[現在地名]佐賀市久保泉町大字川久保

佐賀平野の北にそびえる背振せふり山地南端に派生している半独立山丘の帯隈山(一七七・三メートル)に築成されている神籠石(列石線)は一部に異論もあるが、一般に古墳時代後期に築成されたものであろうといわれている。昭和一六年(一九四一)、帯隈山南西麓に溜池築成の工事が行われた際列石が出土し、緊急調査が実施され、神籠石の所在が確認された(「佐賀県史蹟名勝天然紀念物調査報告」第一〇輯・昭和二六年)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

国指定史跡ガイド 「帯隈山神籠石」の解説

おぶくまやまこうごいし【帯隈山神籠石】


佐賀県佐賀市久保泉町にある城跡。佐賀平野の北方東西に連なる脊振(せふり)山系から南に下った標高177.3mの帯隈山周辺に築かれた古代山城で、1941年(昭和16)に発見された。広範囲の山地を利用した雄大な規模で、切り石の技巧にも見るべきものがあるなど、この種の遺跡として特殊な価値を有し、古代文化を知るうえで重要とされ、1951年(昭和26)に国の史跡に指定された。山城は丘陵腹部を縫う3つの谷にまたがり、全長約2400mに達する。列石は高さ60cmほどの花崗岩の切り石が並べられ、欠失した部分や不明の個所もあるが、ほぼ列石線をたどることができる。北部には平坦な地域があり、門跡と推察される遺構も存在。西南部渓谷には水門と思われる地があり、発掘によって巨大な列石の並列状態が確認された。JR長崎本線神埼駅から車で約18分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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