平行二回線(読み)へいこうにかいせん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「平行二回線」の意味・わかりやすい解説

平行二回線
へいこうにかいせん

電力を輸送する送電線を2回線平行に施設したものをいう。電力系統においては、遠隔の発電所から需要地域へ大電力を高い電圧で輸送するものを送電線といい、一般に鉄塔構造のものが多い。電力系統は、各地に散在する発電所から送電線を用いて需要家に電力を供給するため、雷、雪、飛来物などつねに自然の脅威にさらされているので、万一事故が発生した場合にも停電や被害を最小限にとどめることが重要である。このため電力系統設備は個々の設備を強化するとともに、万一、一部の設備に事故が発生しても、その設備のみの停止にとどめるよう配慮している。平行2回線送電線は一つの鉄塔に送電線を2回線平行して施設し、万一、雷などにより1回線に事故が発生しても、残りの健全な1回線で電力の供給を継続するようくふうされている。

[松田高幸]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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