幸津井(読み)さいついび

日本歴史地名大系 「幸津井」の解説

幸津井
さいついび

[現在地名]鳥栖市幸津町

安良やすろ川の水を朝日あさひ山の東際でせき止め、荒戸あらと橋の下に石井樋を通じて分水したもので、幸津・儀徳ぎとく下野しもの村辺り約一五〇町を灌漑した。佐賀藩の家臣成富兵庫茂安の事業で寛永三年(一六二六)に竣工。「疏導要書」に「幸津村山際ノ所ニテ畠地多ク水掛リ悪キニヨリ、茂安ノ思慮ヲ以テ此安良川ヲ分テ山際ノ方ニ引キ田地ヲ仕立ラレタル由、往還ノ所ニ石井樋アリ、傍ニ銘アリ」とある。井樋銘はいまは埋没

幸津井樋は安良川右岸(佐賀藩領)治水灌漑事業の一環として設けられた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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