デジタル大辞泉
「幻化」の意味・読み・例文・類語
げん‐け【幻化】
仏語。幻と化。幻はまぼろし、化は仏・菩薩の神通力による変化。実体のない事物、また、すべての事物には実体のないことのたとえ。
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げん‐け【幻化】
〘名〙 仏語。幻と化。幻はまぼろし、化は神通力による
変化(へんげ)のこと。空
(くう)のたとえ。
※
今昔(1120頃か)三「狗曇
(くどん)、
王宮の門に有、諸の幻化を成しつるを見つ」
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普及版 字通
「幻化」の読み・字形・画数・意味
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幻化
げんか
梅崎春生(はるお)の中編小説。1965年(昭和40)6月号の『新潮』に前半を「幻化」、8月号の同誌に後半を「火」の標題で発表、絶筆となった。同年、単行本として新潮社より刊行。毎日出版文化賞を受ける。東京の精神病院を抜け出した五郎が、戦争中に海軍生活を送った九州まで記憶を確かめにやってくるが、その旅の途中、五郎の分身ともいうべき予期せざる同伴者(映画会社のセールスマン)につきまとわれ、とうとう阿蘇(あそ)山の火口で自殺の賭(か)けをする。五郎がよろめき歩く男に心の中で「しっかり歩け」と声援を送る結末は、ついに自作自演の追悼の辞となった。
[古林 尚]
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