庵・菴(読み)あん

精選版 日本国語大辞典 「庵・菴」の意味・読み・例文・類語

あん【庵・菴】

〘名〙
① 木で作り草で葺(ふ)いた粗末な小家。特に、僧や世捨て人、または、風流人の閑居する小屋。禅宗では、大寺に付属する小僧房をいう。いおり。草庵。庵室。以上のような小家、また、料理屋などの名として接尾語的に添えて用いることもある。
※正法眼蔵(1231‐53)行持上「雲居山弘覚大師、そのかみ三峰菴に住せしとき」 〔神仙伝‐焦先〕
② 人の雅号として、接尾語的に添えて用いる。
※ロドリゲス日本大文典(1604‐08)「Iian(ジアン)、Iǒan(ジャウアン)〈略〉 Quiǔan(キュウアン)
[補注]「ロドリゲス日本大文典」には「『寺』(Teras)の種類には、Ii(寺)という主要で正式なものと Yn(院)と An(菴)との三つがあるので」「『院』(In)と『菴』(An)とは大寺に附属した小寺のようなものであって、そこに或『坊主』(Bonzo)が隠遁したり住居したりして居る云々」のような叙述が見られる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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