延仁寺(読み)えんにんじ

日本歴史地名大系 「延仁寺」の解説

延仁寺
えんにんじ

[現在地名]東山区今熊野南日吉町

滑石すべりいし越に沿い、山の西腹にある。真宗大谷派。洛東山と号し、本尊阿弥陀如来。寺伝は開基を最澄とし、当初は延仁寺光明堂と称した。弘長二年(一二六二)一一月、三条とみの小路(現京都市中京区)善法ぜんぽう坊で死去した浄土真宗の始祖親鸞の遺体は延仁寺で火葬された。「慕帰絵」の詞書には、「第五ケ日の暁知恩院の沙汰として彼寺の長老僧衆をたなびき迎とりて、延仁寺にしてむなしき煙となしけるは、あはれなりし事の中にも、廿四日は遺骸を拾へりしに、葬するところの白骨一々に玉と成て仏舎利のごとく五色に分衛す」と記される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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