弄ぶ(読み)モテアソブ

デジタル大辞泉 「弄ぶ」の意味・読み・例文・類語

もて‐あそ・ぶ【弄ぶ/玩ぶ/×翫ぶ】

[動バ五(四)]
手に持って遊ぶ。手であれこれいじる。「ハンカチを―・ぶ」
心の慰みとして愛する。賞翫しょうがんする。「書画骨董を―・ぶ」
好き勝手に扱う。楽しむかのように、思いのままに操る。「いたずら言葉を―・ぶ」「運命に―・ばれる」
人を慰みものにする。なぶる。「他人の気持ちを―・ぶ」
[類語](1いじるまさぐるひねくるいじくる/(3翻弄するおとしめる嘲る見下す見くびる侮る見下げる卑しめる蔑む嘗める辱める虚仮こけにする馬鹿にする泥を塗る愚弄嘲弄軽蔑軽侮自嘲侮蔑侮辱陵辱蔑視/(4からかう冷やかす茶化すおひゃらかすおちゃらかすふざける混ぜ返すおちょくるなぶる玩具おもちゃにする野次る野次を飛ばす洒落しゃれのめす半畳を入れる茶茶を入れる揶揄やゆ玩弄

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「弄ぶ」の意味・読み・例文・類語

もて‐あそ・ぶ【玩・弄・翫】

  1. 〘 他動詞 バ五(四) 〙
  2. 手に持って遊ぶ。手でいじって興じる。また、なぐさみの対象として興じる。
    1. [初出の実例]「大己貴神、即ち取りて掌中(たなうら)に置きて、翫(モテアソヒ)たまひしかば」(出典日本書紀(720)神代上(兼方本訓))
  3. 身近に置いたり眺めたりして観賞の対象とする。風流ななぐさみ物とする。
    1. [初出の実例]「月に乗りてささら水をもてあそぶ」(出典:躬恒集(924頃))
  4. 人を身近に置いてかわいがる。心の慰めとして愛する。
    1. [初出の実例]「わか君の御としまさりたまへるをもてあそびうつくしみたまふ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)浮舟)
  5. 自分の物であるかのように勝手に扱う。思うままにする。また、なぶる。一時的ななぐさみの相手にする。おもちゃにする。
    1. [初出の実例]「御作の物を翫び、それを以てでうすを敬ひ奉るべきこそ本意なるべけれ」(出典:ぎやどぺかどる(1599)上)
    2. 「さんざ人の感情を弄(モテアソ)んで置きながら」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二)

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