引き幕(読み)ひきまく

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「引き幕」の意味・わかりやすい解説

引き幕
ひきまく

舞台幕のうち,引いて開閉する幕のこと。歌舞伎では,定式幕 (じょうしきまく) と呼ばれる黒,萌黄 (緑) ,柿 (茶) の3色を縦に順次に配列した幕と,ひいきから俳優に贈られた贈幕 (のし幕) とが用いられる。引き幕は,現在では舞台下手 (向って左) から上手のほうへ開けられ,その逆に閉められるのが普通であるが,特殊な演出でその逆の方法も用いられる。引き幕のほかに緞帳 (どんちょう) も用いられており,幕の開閉には拍子木が打たれるのが普通である。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android