当期業績主義(読み)とうきぎょうせきしゅぎ(英語表記)current operating concept of net income

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「当期業績主義」の意味・わかりやすい解説

当期業績主義
とうきぎょうせきしゅぎ
current operating concept of net income

経常的な経営活動によって当期に実現した収益と,それに期間的に対応する費用だけを損益計算書に記載し,当期純利益を計算する方法。包括主義損益計算に対するもの。当期に確定した前期以前に属する損益や非経常的な臨時異常の損益は期間外損益として利益剰余金計算書において調整する。 1974年の企業会計原則の改正に伴い損益計算書は基本的には包括主義に基づいて作成されることになり,当期の業績を示す損益は経常損益計算区分,当期の経営活動に関係のない損益や臨時損益は純損益計算の区分に計上されることになった。なお商法の損益計算書は 62年の改正時において経常損益の部,特別損益の部に区分し,2種類の損益を表示する包括主義を採用している。企業会計原則における経営成績は当期業績損益である。

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世界大百科事典(旧版)内の当期業績主義の言及

【経常利益】より

…それは,正常状態における企業の業績(収益力)を示し,過去,現在および将来における企業の活動状況を判断するうえで,きわめて重要な指標である。当期の業績を重視する当期業績主義の考え方によると,この利益が当期純利益(期間利益)とみなされる。企業活動においては,上記の正常性をもった損益のほか,たとえば突発的な災害損失,巨額の固定資産(土地など)の売却損益,過年度の償却済債権の回収益などの臨時損益や前期損益修正項目が発生する。…

【損益計算書】より

…現在の損益計算書は,処分可能利益の表示とともに当期の業績をも表示するように配慮されている。
[種類]
 収益と費用の範囲によって当期業績主義の損益計算書と包括主義の損益計算書に分けられる。前者は,もっぱら当期業績のみを表示しようとするため,非経常的・異常な損益および過年度の損益の修正は利益剰余金計算書で行う。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」