彦龍周興(読み)げんりゅうしゅうこう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「彦龍周興」の意味・わかりやすい解説

彦龍周興
げんりゅうしゅうこう
(1458―1491)

室町時代の臨済宗の僧。五山文学の詩文に優れる。半陶(はんとう)と号す。山城(やましろ)(京都府)の人。相国寺(しょうこくじ)法住院において夢窓(むそう)派の黙堂祖久(もくどうそきゅう)に参じて法を嗣(つ)いだ。五山文学の異才を有しながら、出自が低いとして五山で認められなかったが、横川景三(おうせんけいさん)らの庇護推挽(ひごすいばん)によってようやく名声を得るようになった。五山文学に最後の光明を放った逸材である。法住院内に半陶斎を構えて住し、蔵主(ぞうす)という低い僧階にとどまって、官寺に出世しなかった。延徳(えんとく)3年6月3日、34歳で寂した。詩文集に『半陶藁(こう)』がある。

[藤岡大拙 2017年7月19日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android