後の事(読み)ノチノコト

デジタル大辞泉 「後の事」の意味・読み・例文・類語

のち‐の‐こと【後の事】

行く末のこと。また、死後のこと。
葬式法要などの、死者をとむらう作法。のちのわざ。
「命尽きぬと聞こし召すとも、―思し営むな」〈松風
後産あとざん。のちのもの。
「程なく生まれ給ひぬ。…―またいと心もとなし」〈・葵〉

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精選版 日本国語大辞典 「後の事」の意味・読み・例文・類語

のち【後】 の 事(こと)

  1. 将来のこと。
    1. [初出の実例]「のちのことは知らず、その程の有様は物騒がしきまで人多くいきほひたり」(出典:更級日記(1059頃))
  2. 死後のこと。死んだ人をとむらう作法。入棺葬送・法要などのこと。あとのこと。のちのわざ。
    1. [初出の実例]「この御のちのことを、人々の、ものせられん上にも、とぶらひものし給へ」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
  3. のちざん(後産)
    1. [初出の実例]「子産みたるのちの事の久しき」(出典:枕草子(10C終)一六〇)

のち【後】 の 事(わざ)

  1. のち(後)の事(こと)
    1. [初出の実例]「但し其の葬事(ノチノワサ)は、軽易(おろか)なるを用ゐむ」(出典:日本書紀(720)天智八年一〇月(寛文版訓))

あと【後】 の 事(こと)

  1. なくなった人をとむらうさまざまの仏事
    1. [初出の実例]「あとのことども果てて散り散りになりけるに、成範、脩憲、涙流して今日にさへ又と申しける程に」(出典:山家集(12C後)中・詞書)

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