御牧郷(読み)みまきごう

日本歴史地名大系 「御牧郷」の解説

御牧郷
みまきごう

[現在地名]久御山町大字東一口ひがしいもあらい・大字西一口・大字中島なかじま・大字相島おじま・大字坊之池ぼうのいけ・大字野村のむら・大字もり・大字北川顔きたかわづら・大字藤和田ふじわだ・大字島田しまた・大字大橋辺おおはしべり

巨椋おぐら池の南西に位置し、東は市田いちだ村、南は田井たい村、西は綴喜郡際目さいめ(現京都市伏見区)北西は淀(現伏見区)。明治一〇年代に成立した「京都府地誌」御牧村の項に「此地上古美豆野ノ里ト称ス、(中略)今綴喜郡美豆村ハ旧ト本村ノ出戸ナリ豊臣秀吉宇治木津ノ河道ヲ易ヘシヨリ一旦土地隔断ス、維新後木津川変換ニ由リ復接壌ス後別レテ中嶋・坊池・嶋田・藤和田・北川顔・東西一口東鑑芋洗ニ作ル・相島・森・釘貫・野・江ノ口・封戸ノ十三村トナリ総テ御牧庄ト云フ」とあるように、江戸時代には御牧庄とも称し、江戸中期以降は域内に一三ヵ村を含んだ。

地勢は同書に「全境低窪ニシテ繞ラスニ宇治・木津ノ二川及ヒ巨椋池ヲ以テシ、内地モ亦数多ノ池沼アリ、灌漑ノ利頗ル便然トモ夏秋霖潦ノ候水逆行シテ田圃ニ浸入シ収穫毎ニ薄シ、薪炭以下ニ至テハ皆之ヲ他方ニ仰ク、但溝渠縦横、小艇来往スルヲ以テ運漕ハ頗ル便ナリ」とあり、低湿地に位置するため、全村ほとんどが盛土の上に屋敷を築くのを特色とする。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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