デジタル大辞泉
「徴」の意味・読み・例文・類語
ちょう【徴】
1 物事の起こる前ぶれ。きざし。前兆。徴候。「衰微の徴」
2 人を召し出すこと。召し。「徴に応じる」
3 金品を取り立てること。供出させること。「徴を課す」
[類語]効果・徴・効験・霊験・験
ち【▽徴】
中国・日本音楽の階名の一。五声の第4音。宮に次いで重要な音。
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ちょう‐・する【徴】
〘他サ変〙 ちょう・す 〘他サ変〙
① 召す。呼び出す。招く。
※正法眼蔵(1231‐53)心不可得「また玄沙、三蔵を徴していはく」
② 証明する。
証拠とする。また、ある物事に証拠や
根拠を求める。照らし合わす。
※筆まかせ(1884‐92)〈
正岡子規〉三「我国に貧民多き事より之を救済するの法を歴史に徴して論説し」
③ とりたてる。徴収する。
※
類聚国史‐八三・免租税・弘仁二年(811)一一月庚子「宜
二今年田租悉免勿
一レ徴」
④ もとめる。望む。要求する。請求する。
ちょう【徴】
〘名〙
① 人を召し出すこと。呼び出し。まねき。
※
国史略(1826)五「及
二是役
一、長重応
レ徴発」
② 物を取りあげること。供出させること。とりたて。
※
令義解(718)
公式「右凡是追徴科造。〈謂。追者。追喚也。徴者。徴納也〉」
③ 物事のおこる前ぶれ。きざし。また、証拠。しるし。
※
古事談(1212‐15頃)二「依
レ之在国之間更無
二其徴
一」
ち【徴】
〘名〙 中国および日本の音楽の音階の一つ。五音(宮・商・角・徴・羽)の一つ。主音の宮に次いで中心となる音。宮より完全五度上方に当たる。
※古今著聞集(1254)六「管絃のおこり、そのつたはれる事ひさし。〈略〉宮・商・角・徴・羽の五音あり」 〔史記‐楽書〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
世界大百科事典(旧版)内の徴の言及
【五音】より
…五声ともいう。1オクターブの中に設定される五つの音階音,すなわち宮(きゆう),商,角,徴(ち),羽(う)をいう。元来は中国から伝えられた用語が,日本化したもので,5音音階の第1音を調に関係なくつねに宮とし,上に向かって順に商,角……とする。…
【五声】より
…中国音階の基調をなし,日本,朝鮮にも入った。宮・商・角・徴(ち)・羽の5音からなり,徴と宮の半音下の変徴・変宮を加えたものを[七声]という。 五声は中国では周末から前漢にかけて,その算法を記した《管子》《呂氏春秋》《淮南子(えなんじ)》などがある。…
※「徴」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」