デジタル大辞泉
「心得」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
こころ‐え【心得】
〘名〙
① 心得ること。物事の細かい事情などを理解していること。理解。
会得。
※承応版狭衣物語(1069‐77頃か)四「おほかたの
殿上人などの心得にしつつ、あまた参らせし扇をば、さるものにて」
※政基公旅引付‐文亀元年(1501)閏六月二二日「以此趣蔵本え雖申聞候、一向心得不行候」
② 事情を理解して取りはからうこと。
※
謡曲・
道成寺(1516頃)「さあらば供養に舞を舞はうずるよし申し候ふが、それのおん心得にてそとお場
(には)へ入れられ候へかし」
※浄瑠璃・平家女護島(1719)二「それにも入道殿承引なくは
一門の心得にて、中国備前の辺迄呼のぼせ
時節を見よ」
※
史記抄(1477)七「人は皆死ぬるをいやかるに、我れはよろこふは、あはれ我か不明なによって、心得はし、ちかうたかそ」
④ 常に心がけていなければならないこと。用意。たしなみ。
※椿葉記(1434)「御
こころえのために細かに申す也」
⑤ 技芸などを一通り身につけていること。たしなみがあること。「
武芸の心得」
※中華若木詩抄(1520頃)中「古人の詩は、いづれも、この意得ありて、つくる也」
※
曾我物語(南北朝頃)五「恐れ入りて候へども悪しき御こころへと存じ候」
※庭訓往来註(室町中‐後)「有二御意得一、可レ被二養生一也」
⑨ 下級の者が、仮に一時上級の者の
職務をつかさどる時の
名称。
※明治八年一〇月達第八五号陸軍武官命課規則(1875)二条「歩兵科大尉を以て歩兵大隊長と為すときは大隊長心得と称し」
※随筆・独寝(1724頃)上「町人などの様なるものは、いかほど
持丸長者といはるるとても、心得なきもの也」
こころ・ゆ【心得】
〘他ヤ下二〙 (「こころう〔ア下二〕」から転じて、室町頃から用いられた語。終止形は多く「こころゆる」となる) =
こころえる(心得)※常徳院殿御集(1489)「こころゆる これも又これも又とや論ずらむ弓と馬ともるい代のみち」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
普及版 字通
「心得」の読み・字形・画数・意味
【心得】しんとく
心に会得する。〔呂覧、先己〕心に得て聽くこと得られ、聽くこと得て事得られ、事得られて、而る後功名得らる。字通「心」の項目を見る。
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