心棒(読み)シンボウ

デジタル大辞泉 「心棒」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぼう【心棒】

車輪こまなど、回転する物の中心となる棒。回転軸心木しんぎ
物の中心に入れて、支えなどする棒。
集団やその活動の中心になるもの。「一家心棒となって働く」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「心棒」の意味・読み・例文・類語

しん‐ぼう【心棒】

〘名〙
① 物の中心に入れ、その物が曲がったり、くずれたりしないように支える棒。心木(しんぎ)
※坑夫(1908)〈夏目漱石〉「なけなしの髪を頸窩(ぼんのくぼ)へ片付て其心棒(シンボウ)に鉛色の簪を刺してゐる」
② 車輪やこまなどの回転体の中心にあって、回転の軸となる棒。心木。軸。
※日本読本(1887)〈新保磐次〉五「汝等もし車屋に入りて見ば、その車の心棒は家の内に入り込みて頻に廻ることを見るべし」
③ 組織や、その活動の中心となるもの。また、行動や考えを支える中心となるもの。心木。軸。
※歌舞伎・上総綿小紋単地(1865)序幕「此村では次郎兵衛どのと、あの市兵衛一村の心棒ぢゃ」
明暗(1916)〈夏目漱石〉六九「和解の心棒(シンボウ)を失って困ってゐた三人は」
旋盤フライス盤・歯切盤などで、中央に穴のある工作品を加工するとき、その穴にはめる棒。

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