思鎮・思静(読み)おもいしずまる

精選版 日本国語大辞典 「思鎮・思静」の意味・読み・例文・類語

おもい‐しずま・る おもひしづまる【思鎮・思静】

〘自ラ四〙
① みだれていた心が鎮まる。気持が落ち着く。正常な心、平常な心をとりもどす。
※宇津保(970‐999頃)祭の使「『かた時よに経(ふ)べくはおもほえねば、いまさらに不孝(ふけう)の人になりぬべきが、いみじければ、いささかおもひしづまるやとてなん』と、泣く泣く夜ひとよ物語しあかして」
② もの静かに控えめでいる。
源氏(1001‐14頃)帚木「あまりうるはしき御有様の、とけがたく恥づかしげに、おもひしづまり給へるを」
③ (他動詞的に用いて) 落ち着いて考える。
※源氏(1001‐14頃)若菜上「世の中をおもひしづまり給ふらむころほひの御ありさま」

おぼし‐しず・む ‥しづむ【思鎮・思静】

〘他マ下二〙 (「おもいしずむ(思鎮)」の尊敬語) 乱れた心を落ち着かせなさる。
落窪(10C後)二「ただ腹立ちに腹立たれ給へど、いと人多く見るとおぼししづめて」

おもい‐しず・む おもひしづむ【思鎮・思静】

〘他マ下二〙 乱れた心を落ち着かせる。はやる気持を抑える。
※落窪(10C後)一「足ずりして泣かるる心地を思ひしづめて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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