恐は(読み)おそらくは

精選版 日本国語大辞典 「恐は」の意味・読み・例文・類語

おそらく‐は【恐は】

(「おそるらくは(恐━)」の変化した語)
[1] 〘連語〙 恐れることは。気がかりなことは。
※二教論勘文久寿二年点(1155)「懼(ヲソラクハ)われを傷(そこなふ)ことを」
[2] 〘副〙
① はばかりながら。口はばったい言いぶんだが。おそらく。
古事談(1212‐15頃)六「恐くは昔貞敏に授貽曲侍を、欲授 云々」
② 絶対に。必ずや。非常に強い推量や決意を示す。おそらく。
日葡辞書(1603‐04)「Vosoracuua(ヲソラクハ) ワガテ ダイイチデ アラウズ」
③ 十中八九。たいてい。多分。おそらく。
今昔(1120頃か)七「恐らくは他の官の者、此の由を不知ずして」
[語誌](1)(一)のように恐れる内容を後に引用する用法の場合、「…を恐る」「…と恐る」などに比較して、恐怖よりも危惧・不安の意味を表わすことが多い。「恐る」が一般語化したのちも、しばらくは文章語的性格が根強く、漢文訓読的文章を中心に用いられた。
(2)次第に副詞化して(二)の用法が生じるが、近世には、「は」のつかない形「おそらく」が普通になっていく。
(3)(二)の①のようにはじめは、目下からおしていうときの謙退の意味があった。
(4)「オソラクバ」の例が「和英語林集成初版)」に見られる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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