悲歌(読み)ヒカ

デジタル大辞泉 「悲歌」の意味・読み・例文・類語

ひか【悲歌】[作品名]

原題、〈フランスÉlégiesシェニエの詩作品草稿のまま残されたもので、執筆年代は1778年ごろまでとされる。作者没後の1819年、詩人ラトゥーシュが編纂へんさんし「シェニエ全集」として刊行
《原題、〈ラテンTristia》古代ローマの詩人、オウィディウスによる詩。西暦8年、黒海沿岸の僻地トミスに追放された著者が、ローマへの帰還を願い皇帝や有力者、友人たちに贈った作品。全5巻。

ひ‐か【悲歌】

[名](スル)
悲しんでうたうこと。悲しみをうたった歌。エレジー哀歌
「―して独り流涕す」〈紅葉金色夜叉
死者をいたむ歌。
[類語]エレジー哀歌
[補説]作品名別項。→悲歌

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精選版 日本国語大辞典 「悲歌」の意味・読み・例文・類語

ひ‐か【悲歌】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( ━する ) 悲しい気持をうたうこと。また、悲痛な調子の歌。哀歌。
    1. [初出の実例]「遙想東門飯牛者、悲歌声絶泪縦横」(出典:蕉堅藁(1403)歳暮感懐、寄甯成甫)
    2. [その他の文献]〔史記‐周昌伝〕
  3. 死者をいたむ詩歌。エレジー。

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普及版 字通 「悲歌」の読み・字形・画数・意味

【悲歌】ひか

悲壯なさまで歌う。〔史記、項羽紀〕項王(羽)則ち夜(た)ちて帳中に飮す。~是(ここ)に於て、項王乃ち悲歌(かうがい)し、自ら詩を爲(つく)る。

字通「悲」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「悲歌」の意味・わかりやすい解説

悲歌
ひか
Élégies

フランスの詩人アンドレ・シェニエ詩集。 1819年,作者の死後 25年にして詩人アンリ・ド・ラトゥーシュによって,他の作品と合せて公刊された。大革命前夜の青年の不安,愛の悲劇的感情が吐露され,ロマン派先駆と仰がれたが,その端正な古典的形式はむしろ高踏派を思わせる。

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改訂新版 世界大百科事典 「悲歌」の意味・わかりやすい解説

悲歌 (ひか)

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デジタル大辞泉プラス 「悲歌」の解説

悲歌(エレジー)

赤川次郎の長編ミステリー。1995年刊行。

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世界大百科事典(旧版)内の悲歌の言及

【エレジー】より

…今日一般に〈悲歌〉〈挽歌〉など,哀愁を歌う詩を指す語として理解され用いられている言葉。この名称で伝わる詩文のジャンルの歴史は古く,その始源は前7世紀ギリシアの詩人たちにさかのぼる。…

【シェニエ】より

…刊行直後から,当時台頭しつつあったロマン派の詩人たちに先駆者として熱烈に迎え入れられた。彼はギリシア古典の模倣によって,古代の詩の素朴さと新鮮さを再び詩に取り戻すことに成功し,ホメロスを歌った〈盲人L’aveugle〉や〈ターラントの娘La jeune tarentine〉などの傑作を含む《牧歌Bucoliques》や《悲歌Elégies》をつくり,また,百科全書派の新しい科学思想を古代の詩形に盛り込むという壮大な構想をもった幾編かの未完の叙事詩を残している(《創造L’invention》《エルメスHermès》《アメリカL’Amérique》)。彼は18世紀の時代精神を表現した最高の詩人であると同時に,19世紀における詩の復権を準備した先駆者である。…

※「悲歌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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