惣の市(読み)そうのいち

精選版 日本国語大辞典 「惣の市」の意味・読み・例文・類語

そう【惣】 の=市(いち)[=神子(みこ)

  1. 巫女の統率者。生霊や死霊を呼び、その声を信者にきかせる市子(いちこ)団体を統率する者。
    1. [初出の実例]「法師が伯母にて候者、羽黒の権現のそうのいちにて候が」(出典:義経記(室町中か)七)
    2. 「我がをばは羽黒山の惣(ソウ)神子(ミコ)にておはするが」(出典:浮世草子御前義経記(1700)四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の惣の市の言及

【巫女∥神子】より

…鈴振り神子,湯立神子,神楽神子とも称される。これにもローカルタームがあって,宮中の神事に奉仕した御巫(みかんこ),伊勢神宮の斎宮(いつきのみや),賀茂神社の斎院またはアレオトメ,熱田神宮の惣の市(そうのいち),鹿島神宮の物忌(ものいみ),厳島神社の内侍(ないし),美保神社の市(いち)などが著名である。けれども現在では,本来の神がかり現象を示すものはほとんどみられない。…

※「惣の市」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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